メールや手紙を書いていて、「候」と「侯」、どちらを使えばいいのか迷った経験はありませんか?私も以前は、「時候の挨拶」なのか「時侯の挨拶」なのか、いつも確信が持てませんでした。
今回は、この紛らわしい漢字について、語源から意味、使い方までをしっかり解説していきます。特に、ブログやメルマガを書いている方、そして学生の皆さんに役立つ内容をお届けします。
候と侯の語源を比べてみよう
「候」の語源
「候」は、会意形声文字です。人偏(亻)に「侯」を組み合わせて作られました。本来は「うかがう、待つ」という意味で、宮殿の門前で人や時を待ち、観察する役人を表しています。
この漢字は中学で学習します。見ただけで「待つ」「うかがう」という意味が込められていることが分かりますね。
「侯」の語源
「侯」も会意文字です。人を表す「人(大)」と「矢」を組み合わせて作られました。元々は弓矢の名手である軍事長官を表していました。そこから転じて、諸侯などの爵位を表す漢字となりました。
この漢字も中学で学習します。弓矢の名手から領主へと意味が変化していった歴史が興味深いですね。
それぞれの意味と使い方を整理しよう
「候」の主な意味と使い方
1. うかがう、待つ
例:「拝候(はいこう)」(手紙の言葉)
例:「時候(じこう)」(季節、天候)
2. そうである、です・ます(手紙文の丁寧語)
例:「暑く候」(暑いです)
例:「御免候」(すみません)
「侯」の主な意味と使い方
1. 爵位の一つ(諸侯)
例:「侯爵(こうしゃく)」
例:「諸侯(しょこう)」
2. 領主、統治者
例:「候補(こうほ)」
例:「封侯(ほうこう)」(侯爵に任命すること)
読み方を確認しよう
「候」の読み方
音読み:コウ、ソウ
訓読み:うかが(う)
「侯」の読み方
音読み:コウ
訓読み:きみ
よく間違える例と正しい使い方
✓ 正しい使い方の例
「時候の挨拶」(季節の挨拶)
「侯爵の館」(爵位を持つ人の館)
「選挙候補者」(選挙の立候補者)
「拝候」(手紙の結びの言葉)
✗ 間違いやすい例
「時侯の挨拶」→ ×
「候爵様」→ ×
覚え方のポイント
1. 「候」は「人偏」があるので、「人が待つ・うかがう」と覚える
2. 「侯」は「矢」があるので、「弓矢の名手→領主」と覚える
3. 手紙や季節の言葉には「候」を使う
4. 爵位や地位を表す場合は「侯」を使う
確認テスト
以下の( )に入る正しい漢字を考えてみましょう。
1. 時( )の挨拶を申し上げます
2. ( )爵家の歴史
3. 謹んで拝( )
4. 選挙( )補者
答え
1. 候
2. 侯
3. 候
4. 候
まとめ
「候」と「侯」は、一見似ているように見えますが、その成り立ちと使い方には明確な違いがあります。
「候」→ 待つ、うかがう、手紙文の丁寧語
「侯」→ 爵位、領主
私自身、この記事を書くにあたって「候補」という言葉の「候」が、「うかがう」という意味から来ていることを初めて知りました。漢字の成り立ちを知ることで、その使い方がより明確に理解できますね。
今後も紛らわしい漢字の違いについて、みなさんと一緒に学んでいけたらと思います。
参考サイト
https://okjiten.jp/kanji619.html
https://okjiten.jp/kanji1795.html
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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